N B N 通 信 28 号
名古屋点訳ネットワーク
E-MAIL: daihyo@n-braille.net
2014年10月発行
―・― 目 次 ―・―
1. ごあいさつ 名古屋点訳ネットワーク代表 中西和子
2. 第17回 名古屋点訳ネットワーク 総会のご報告
3. シーン・ボイス・ガイドについての講演及び実演のご報告
4. エーデル勉強会の予告
1. ごあいさつ
名古屋点訳ネットワーク代表 中西 和子
引き続き2年間代表をさせていただくことになりました、中西和子です。また2年間よろしくお願いいたします。
点訳者にも読者にもNBNを知らない方がまだまだいらっしゃることを知り、惰性に流されず継続的にPRをしていきたいと思っています。皆様もNBNの行事の際などには、知り合いの方を誘う・知らせるなどしていただけると嬉しく思います。
ご存知のとおり、名古屋点訳ネットワークは、点訳活動をしている方々および読者の方々のゆるやかなネットワークです。何の強制力も義務もありません。会費もありません(会費フリーで活動できるのは名古屋市社会福祉協議会のご支援によります)。しかし都度集まることにより、点訳者に関心のあるテーマで素晴らしい講演を聞いたり、普段接しない視覚障がいの方のご意見を聞いたり、点訳データを共有したり、情報交換したり、普段の点訳活動に役立つ活動ができます。
今年の総会でボイス・ケインさんから1期生のお二人を派遣していただき素晴らしいお話を伺うことができました。点訳そのものの勉強会だけでなく、周辺の話の勉強会で得られるものは大きいのではないかと思いました。
総会のご報告にもありますように、今年度の活動計画は役員・委員に一任していただきましたが、参加してくださる皆さんのご意見・ご要望に添う活動にしたいと思いますので、思いついたときご遠慮なくNBN宛メールや、お近くの役員・委員までお知らせください。
2. 第17回名古屋点訳ネットワーク総会のご報告
7月20日(日)、名古屋市総合社会福祉会館6階 多目的活動室にて第17回総会を開催しました。
参加者は名古屋市社会福祉協議会ボランティアセンター副所長・小林様をはじめ13名でした。
(1)活動報告
・2013年 7月21日(日)第16回名古屋点訳ネットワーク総会
11月 2日(日)「名古屋盲学校文化祭」に参加。ゲームやNBNの活動紹介。
・2014年 1月26日(日)「ぼらチャリvol.2」(名古屋市ナディアパークにて)
点字体験コーナーで参加。
3月 2日(日)「ぼらマッチ」(名古屋市ナディアパークにて)
NBNで作成した「点訳サークルご紹介」をはづき会さんに配布していただく。
4月 6日(日)「点字・点訳に関する講演会」
講師・前京都ライトハウス情報ステーション所長 加藤俊和先生
*2013年度の、NBNのデータベースへの登録と累計は以下の通りです。
・書籍など 85タイトル (累計 1040タイトル)
・新聞記事など 124タイトル (累計 3052タイトル)
・歌詞 714タイトル (累計 842タイトル)
(2)会計報告
会計および会計監査が報告し、承認されました
(3)2014年度・2015年度 役員・委員選出
代 表 中西 和子
副代表 細川 陽一 浅田 浩子
会 計 山口 益実
会計監査 山崎 すみ子
広 報 大倉 裕子 中井 慶子 木全 三保子
ホームページ管理 中島 正二 平瀬 徹 山口 益実
(4)活動計画
今年度の活動計画については、新役員・委員に一任していただきました。
◆今年度の計画について、みなさんから出た意見は次のとおりです。
○今までNBNの行事は日曜に行ってきたが、平日に開催してみてはどうか。
○点訳の勉強会は参加者が多い傾向があるが、何を勉強したいのかを知る必要がある。
○エーデルの詳しい使い方を聞きたい。
ニュースを点訳していると関連した図(原発の建物、原発の構造、ウクライナの地図など)を描いて欲しいという要望がある。
◆また交流会をする場合の候補地をお聞きしたところ以下の施設があがりました。
南山大学人類学博物館 浜松市楽器博物館 ウイズ(視覚障害者授産所) 盲老人ホーム
(5)その他
NBNのことをご存じない方でもNBNの活動に参加しやすくなるために、ホームページ上の「名古屋点訳ネットワーク紹介」をもっとわかりやすい形に見直したらどうかという意見がありました。
3.シーン・ボイス・ガイドについての講演及び実演のご報告
総会に先立って、「視覚障碍者の情報環境を考える会〜ボイス・ケイン」の加藤事務局長と鈴木さんに、シーン・ボイス・ガイドについての講演と実演をしていただきました。
初めにシーン・ボイス・ガイドについて簡単な説明を聞いた後「がんばれ盲導犬サーブ」のアニメを、シーン・ボイスを生で付けながら上映していただきました。ほとんどの参加者が目を閉じて、視覚障がい者がどういう風に映画を聞いているかを体験しながらその人なりの情景を思い描いていました。
上映後、加藤事務局長がボイス・ケインの活動や工夫、苦労している点を話されました。
ボイス・ケインが大切にしている事は2つあります。1つ目は、生ですること、2つ目は7つの地区ごとに分かれているグループに視覚障がい者が1人以上所属していて、台本を作成する際に協力してもらうということです。
台本を作るには、体言止めを使う、主観性の高い表現や丁寧体は使わないなどのガイドラインはあるそうですが、俳優の表情や持ち物や服など、どの部分にガイドが必要かは話し合って決めるとのことでした。特に短い文章で自分たちが見えているものを表すのはとても難しいと話されていました。
さらに、話す速度・伝える量・場面転換の説明など工夫しなければいけないことがたくさんあり、1つのシーンについて1日中話し合うそうです。 こうして議論を何度も重ね、2〜3か月かけて1冊の台本を作り上げます。また、上映中に付けるシーン・ボイスだけでは説明しきれない非日常的なシーンなどは、上映前に説明時間を設けることもあります。
たとえば「ET(1982年公開のアメリカのSF映画)」にシーン・ボイスをつけて上映したときには、映画の前にETのぬいぐるみに触ってもらったそうです。
講演の後、参加者から「台詞の間にシーン・ボイスをいれるのに秒数まで測るのか。」「『シネマ・デイジー』をサピエに登録したらどうか。」などのいろいろな質問や提案がでて、加藤事務局長が丁寧に答えてくださいました。
シーン・ボイスをつける際の工夫や苦労をお聞きして、私たちが絵や図を点訳するときや説明するときに感じている難しさと重なる部分が多く、とても参考になりました。
4. エーデル勉強会の予告
今年度のNBNの勉強会を2015年2月1日(日)・2日(月)に開催します。
今回は、点図作成ソフト「エーデル」の開発者である藤野稔寛先生をお招きして、エーデルの初心者にも中上級者にも対応した勉強会にする予定です。藤野先生は、2009年に視覚障害者支援に功績のあった晴眼者を表彰する「ヘレンケラー・サリバン賞」(東京ヘレン・ケラー協会主催)を受賞していらっしゃいます。
エーデルに関する質問や、先生に話していただきたいことなどがありましたら、NBNのホームページからメールを送ってくださいますようお願いいたします。お近くの役員宛てでも結構です。
時間や内容など詳しいことは決まり次第ご連絡いたします。
たくさんの方に参加していただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
◆編集後記◆
視覚障がい者と私たちは、ちょっとした工夫で同じ情報を得ることができますし、同じ趣味を共に楽しむことができます。
私たち点訳者は、どのような工夫をすれば、目の不自由な方と理解し合えて一緒に人生を楽しめるのでしょうか。
シーン・ボイスを聞いて、自分ができる工夫やすべきことがもっとあると感じました。
一人では無理なことでも、みんなで声や力を合わせれば、障がい者との相互理解がもっと広がり、障がいがあっても無くても何ら差はない生活になることでしょう。
NBNを通じて、みんなが同じようにそれぞれの生活を楽しめる方法を一緒に考えてみませんか。
浅田浩子
名古屋点訳ネットワーク事務局 (名古屋市社会福祉協議会 ボランティアセンター内)
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