N B N 通 信 14 号

                     名古屋点訳ネットワーク

                   http://www.n-braille.net/

                 E-MAIL: daihyo@n-braille.net

                                   2006年8月発行

 

―― 目次 ――

 新代表 あいさつ  ・・・平瀬 徹

 第9回名古屋点訳ネットワーク(NBN)総会報告

 大阪民族博物館見学会 感想アンケート

 編集後記

 

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      新代表 あいさつ       平瀬 徹

  代表の成り手がなくて、私がお受けすることになってしまいました。

 私は17才から点訳ボランティア活動にかかわってきました。それは、ボランティアの方々にお世話になっているだけでなく、目が見えなくてもお手伝いできることがあればという気持ちからでした。

 点字プリントや校正、パソコンサポートなど、できることをさせていただき、現在に至っています。視覚障害者のニーズをお伝えすることでボランティアと視覚障害者の架け橋にもなれればと思ってきました。

 ただ、ボランティアを私物化しそうで、どこのサークルでも代表になることについてはずっとお断りし続けてきました。実際は、大樹会で私の希望が叶えられることは少なかったのですが(笑)。

 さて、近年、介護のためにボランティアを続けられなくなる人が増えています。しかし、盲学生への教材作りなど、点訳ニーズは増えています。

 この受容と供給の関係をどうすべきかが、今年度のNBNの課題になるのではと思います。

 各地で点訳ボランティアの養成講座や福祉体験教室をされていると思いますが、手作りの資料や後進の指導をどうしているかなどのノウハウを交換しあう研修会ができればと思います。

 また、統合教育を受けている児童に対しての点字指導をどうしていいかわからないという声も耳にしますので、盲学校の先生方の点字触読指導についてのノウハウをお話いただく機会もあっていいと思います。

 昨日は終日、7階で映画のシーンボイスガイドの研修会が行われていました。

 図表の説明を点字で入れるために、シーンボイスガイドのノウハウも役に立つのではと、午前中だけシーンボイスガイドの研修に参加して感じました。

 昨年度はNBNに赤字が出てしまったようなので、今年度はお金をかけないでできる研修会や交流会ができればと思っています。

 どんなことを勉強したいか、皆さんのご意見をお寄せ下さい。

 

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     第9回名古屋点訳ネットワーク(NBN)総会報告

 2006年7月2日(日)1時30分より、名古屋市社会福祉協議会 多目的活動室にて、下記のように、NBN総会が行われました。

 

 1.参加者全員の自己紹介

 2.NBN発足当時から現在まであゆみ

 3.名古屋市社会福祉協議会 事務局からのご挨拶

 4.元名古屋盲学校の北原先生のお話

 5.2005年度活動報告

 6.2005年度会計報告

 7.新役員選出

 8.2006年度活動計画について

 9.懇談

 

  1.参加者全員の自己紹介

 午前中のものすごい雷雨にかかわらず、20名ほどの参加者がありました。

 

  2.NBN発足当時から現在まであゆみ

 NBN発足から関わってこられた、平瀬さんと木全さんにお話をしていただきました。

 8年ほど前、現在、NBNのコンピュータやホームページのメンテナンスをしていただいている中島正二さんと平瀬徹さん(大樹会)が、パソコンボランティアをしている中で、個々のボランティアが同じものを点訳していたり、同じような悩みを持っていることを知り、グループ同士の紹介や相談ができるネットワークの必要性を感じたそうです。

 そこで、中島さんの結婚披露宴の席で、個々のグループ同士の関わり・読者との関わりを考えたネットワークづくりの構想を打ち出しました。

 ゆうあい文庫さん達と準備会をつくり、ちょうど8年前(平成10年6月14日)に名古屋点訳ネットワーク(NBN)が発足しました。

 社協の電話回線を使い、パソコン通信(NTT−BBS)から始まりました。

 当時はまだ、インターネットが普及しておらず、パソコン操作もままならないため、大変な苦労をしたそうです。

 会報誌「NBN通信」も、初めは、グループ紹介が主でした。登録された点訳のメニューを取り出せる鬼頭さん(大樹会)がデータを提供してくれて、NBN通信に添付する形で墨字印刷して発表もしました。

 インターネットができるようになってからは、ホームページよって、徐々に内容も充実し、「NBN通信」・「グループ紹介」・「点字物の閲覧」ができ、ダウンロードも可能になりました。また希望者には、点字用紙に印刷し、発送もしています。

 ホームページの一部編集を中島則子さん(はづき会)にお願いするようになってからは、背景なども充実しました。

 発足当時のテーマである、「いつでも、誰でも参加できる」ネットワークをめざし、これからも発展していただきたいです。

 

 3.名古屋市社会福祉協議会 事務局からのご挨拶

 

 

  4.元名古屋盲学校の北原まさ子先生のお話

 長年、名古屋盲学校の図書室(盲学校に在勤35年、うち25年図書室に)で、生徒さんの読書環境の整備に努められた北原先生にお話を伺いました。

 

 思い出として10年ほど前、男性でパソコンを習ってくださった方がありました。スキャナーからデータ化・点字化の作業をしていただいた。76歳でなくなった男性。70過ぎても好奇心旺盛な方の思い出を想い、自分も思いきって出て参りました。

 現在の情報は膨大な量で、その多くが、眼からの情報(80%)だと言われています。ですから視覚がない人、子どもたちにとっては大変不利なことです。それを補うのは本で、色などのことも本から得る。

 そこで、北原先生は、子どもが自分で読むことによって、また、さわって判断することによって、いろいろな情報を得ることが一番だとの考えで、盲学校の図書室の本の充実を願い続けてきました。

 

 小学2年生のある生徒さんのお話。その生徒さんの担任の先生は、本の必要性を訴える先生で、生徒さんをよく図書室へと誘いました。

 その生徒さんにどんな本を与えたらよいかと思い、まずコミュニケーションから始めました。会話からその生徒さんにあった本を選び、その生徒さんも大変本が好きになり、先生がおどろくほど本を読みました。

 新しい図書室の先生なってから、借りに来なくなってしまいました。でも、それは、その生徒さんのお母さんが、図書館に行って、その生徒さん自身に本を選ばせて、借りるようになったからで、ずっと本は読み続けていたのです。

 「私の目標は達成した」とすごくうれしかったです。

 図書室ではどんな本を選んでいたかというと、色・形、自分では体験できないことが出ている本。

 聞く情報と自分で読んだこととは違います。

 

 次に、図書室にあるさわって見られる本を紹介されました。点図などで点訳する人があまり多くの情報を入れすぎると、かえって逆効果になります。

 点訳者は、あれもこれもと、いろいろな情報を細かく伝えようとします。その気持ちは大変よく分かりますが、読む側にとってみれば、認知できず、迷ってしまいます。

 初めはシンプルなものから、だんだん情報を増やしていくという、段階を踏むことが必要だということ。また、空間認知も難しいので、立体的なものの点訳ならば、平面的なものと立体的なもの、両方あるとよく分かると思います。

 

  5.2005年度活動報告

 2005年11月25日(金)名古屋盲学校見学 53名参加

 2006年4月2日(日)大阪万博記念公園 民族博物館見学 35名参加

 点訳データベース 527件の登録(累計2867件)

 お詫び・・・2005年5月セントレア見学とあと、セントレア地図(触図)改良版を完成させるという作業は、達成できませんでした。

 

 

 

  6.2005年度会計報告

 参加者に承認されました。

 

 

  7.新役員選出

 

   2006年(平成18年)度 名古屋点訳ネットワーク役員

  代表        大樹会     平瀬 徹

  副代表       はづき会    木全 三保子

  副代表       名古屋盲学校  細川 陽一

  広報        みなづき会   大倉 裕子

  広報             みずほ点訳   山口 益実

  広報点訳      知多てんてん    平松 公子

  会計        大樹会     中西 和子

  会計監査      名東ハーネス  大司 佐美

  パソコンサポート  はづき会    中島 正二

 

 

 

  8.2006年度活動計画について

 具体的には決まりませんでした。

 みなさんの中で、こんな事がやりたい・してほしいというご意見・ご要望がありましたら、NBN掲示板または、代表メールにどんどん書き込んで下さい。

 

  9.懇談

 最期に、意見交換などを行いました。

 介護や、生活環境の変化などで、会員数が減って、会の存続が難しくなってきたというグループもありました。

 また、一般の小学校に通う視覚障碍の生徒さんの教科書を点訳しているグループさんも、人手不足で、時間の余裕が無いという悩みもありました。

 そういうときこそ、NBNのネットのワークが利用され、お互いに助け合えるとよいという意見があり、今後のNBNの最大の課題です。

 

 各グループが点訳したものを、もっと多くの人に知ってもらう方法がないかという意見もありました。

 ナイーブネットに登録できないか。いろいろな制約があるので、それを統一して総括できれば、登録可能なようで、これもNBNの課題です。

ナイーブネットに加入していなくても登録図書の検索は出来、登録したサークルに連絡をとればデータや図書の利用は可能(断られたことは無い)とのことです。プリントして読者に渡す前に、大きな間違いがないか、原本との照らし合わせをすれば更に良いとのことでした。

 

 また、地図の点訳、教科書の絵の点訳など、分かりやすい点訳の方法はないか。

 地図は、大変難しく、点友会というグループが、長年地図をつくっているので、そこで聞いてみるとよいということでした。

 教科書の点訳は、それを使う生徒さん、指導する先生がどういう使い方をするのか、よく話し合ってつくることが基本だということでした。

 NBNで、点訳講習会をして、いろいろな意見交換を行い、分かりやすい点訳の方法を勉強するのもいいという意見もありました。

 

 最後に北原先生が、点訳に際して、点訳者の立場からではなく、読む側(視覚障碍者)の立場に立って点訳をしてほしいと締めくくられて、総会が終わりました。

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         大阪民族博物館見学会 感想アンケート

 

参加者のアンケートをもってご報告にかえさせていただきます。

年齢

性別

 

感想

50

点訳ボラ

残念ながら雨だった。触るものがたくさんあって良かったと思う。 1Fのオルゴールのハンドルを回したのが良い思い出になる。  皆さん和気あいあいで良かったと思う。

30

点字読者の家族

ほとんどの展示物に触れることができ、いつも途中で退屈してしまう娘も楽しむ事ができ嬉しかったです。  庭に来るメジロやスズメがどういうものか始めてわかった娘は大喜びで3〜4回コーナーに戻って来て楽しみました。声が聞けたのもよかったです。  このような機会を与えてください。 本当にありがとうございました。

10未満

点字読者の家族

メジロ、スズメ、ハクセキレイ、カラス、シジュウカラなど 鳥が触れてよかったです。  (インドの三輪)タクシーに乗れてよかったです。 触れる世界でコハゼソロバン、折り紙印やいろんなものが触れてよかったです。

30

点字読者の家族

民博について始めて知ることができてよかったです。  なかなか家族だけで遠出をして出かけることもなく、また触って楽しめる博物館についても自分で調べて行くこともなかったので みんなで楽しめることができました。

10未満

点字読者の家族

鳥の鳴き声、形、様子の説明がわかりやすくて良かった。 人形劇でどうやって人形の体を動かしているかわかってよかった。 大きな船を触りながら説明をしてもらえてよかった。

60

点訳ボラ

ボランティアに慣れていないので不備なところが多々あり申し訳なく思いました。 人のフリ見て教えられる事もあり、また相手のかたに直接教えられたりと大変参考になりました。 今度参加する時はもっと気を使い声を出したいと思います。

70

点字読者の家族

車に乗れた。 椅子が楽しかった。

19〜29

ヘルパー

楽しかったです

60

点字読者の家族

楽しかった

50

点訳ボラ

説明しづらい物があり、よくわかったかどうか心配です。 お弁当は上等でおいしかったけどバスの中では2段とかおはしとかは視覚障碍者にとって食べにくいと思いました。

50

点字読者

触るのは良かったが少し難しい物があった。

50

点字読者

モンゴルの移動住居や家船、また はた織りなどを実際に手でさわって感じとれたことがよかった。 点字ができる前の浮き出し文字など歴史を感じることができる。もう少し手に触れることができると思っていたが、ケースの中に入っているものが多かった。 電子アナウンスはくわしく聞けてよかったが センサーに合わせるのが少し難であった、

40

点字読者

勉強になりました。

30

点訳ボラ

大変楽しくすごさせていただきました。説明するのに頭を使って疲れました。 たまにはいいですね。

50

点訳ボラ

視覚のかたとお知りあいになれたこと、色々な話が出来て楽しかったです。 展示が多すぎてちょっと疲れました。

50

ガイド

さわれるものが多く とてもよかったと思いました。

70以上

その他

いろいろさわれて楽しかった

70以上

点字習得中

珍しい品々を手でさわったり(特にソロバン)していろいろ印象に残りました。 お弁当も美味しかったです。 安い料金でありがとうございました。

50

友人

東南アジアの国々の生活・文化・宗教など 直接触れることができてよかった。 電子ガイドもよかった。 点字の歴史や実際のものが 見れてよかったが 小グループに分けて簡単な説明がほしかった。 いろいろなかたにふれあえてうれしかったです。 お疲れ様でした。

50

点訳ボラ

雨の中をべたべたになりながら歩いている時 もし車いす利用者(欠席のかた)が車椅子で移動していたら とても大変だったと思いました。帰りはバスに横付けしていただきとても助かりました。 今回の企画がなければ 博物館の存在さえ知らぬままでしたが何人かの視覚者に貴重な体験の場を作っていただきとても感謝しています。ありがとうございました!!! 今回はほんの一部しか見てないので後日再び機会を作って出かけたいと思います。

50

点訳ボラ

とても素晴らしい催しなのですが、きっと個人的には行きそびれてしまうと思うので、こういう企画をしていただけてとてもよかったです。

30

点字読者

現在の点字に至るまでの歴史が分かる展示物を触ることができて、参考になり、実感できた。  1Fの大型手回しオルゴールを体験できたことが印象的だった。  広瀬さんに代表的な展示物を6、7点最初に紹介していただけるように打ち合わせをすれば良かった。  バスの到着位置を詳しく打ち合わせしておけば良かった。

10〜18

点字読者の家族

鳥の鳴き声やめったにさわれない土器などがたくさんさわれたからよかったです。 オセアニアから沖縄へ47日かけて行っただなんてすごいなあと思いました。

10〜18

点字読者の家族

キリスト様が生まれたヨーロッパの時代の様子など点字のこと以外でもさわってみることができてよかった。

40

点字読者の家族

前もって手でさわってもよいという了解を得ているので安心してさわらせることができた。 展示品の多さにびっくりしました。 時間が短く 飛ばして見なくてはならなかったので残念でした。 介助の反省:子どもは他の人にお願いし、介助をさせていただいたのですが 一つ一つわかりやすく説明するのはとても難しいことだと痛感しました。案内するには事前の勉強が必要でした。すみませんでした。

10〜18

点字読者

点字の歴史(いろいろな時代、国)が社会の歴史のようで勉強になりました。 鳥の彫刻にさわれたり 声、説明もありよくわかり、楽しかったです。

50

点訳ボラ

普段さわることのできないもの・私たちが説明するのには限界があるものがあってよかった(茅葺のおうち・鳥)。点字の歴史がわかって為になりました。初めてのかたとの組み合わせだったのにとても楽しい雰囲気でよかった。 広瀬さんのお話・解説をもっと聞きたかった。 博物館の解説ボラのかたはペアのかたの話をさえぎる感じではなくさりげなく話をしてくださってよかった。 小さなお子さんが楽しそうでよかった。 

40

点字読者

広瀬先生の企画展に対する思いを直接お聞きする時間があるとよかった。 企画展以外のコーナーも職員やボランティアのかたがたが親切に説明してくださってよかった。 日ごろお世話になっている点訳サークル以外のボランティアのかたともお話できる機会があってよかった。 展示物の説明がないものが多いことに驚いた。それだけ想像を膨らませるこどができるのかもしれませんが。

40

点字読者

よかったこと:新しい企画(発想)に 参加できた。

50

点字読者

触って見ることができて楽しかったです。 NBNのガイドの説明が分かりやすくまた 自分自身の想像力の乏しさを実感しました。

60

点字読者

いろんな物に触れていい勉強になりました。特に神社や船がよかったです。仏像の合掌が手を縦にすることを始めてしりました。残念な点は文字 特に結び文字や折り紙文字などの説明がなかったことでなんの文字を表しているのかがさっぱりわからなかったことです。

60

点字読者

私の手の届かない物、神殿、太陽の塔、仏像、鳥のカービング等が見られたのはもっともよかった。悪かったことは、天気が悪く、民博まで歩くのは大変だった。

 

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[編集後記]

 今回の役員改選は、なかなか会長が決まらず、やっとの事で平瀬さんに決まりました。新役員の皆様よろしくお願いいたします。

 名古屋市社会福祉協議会 事務局からのご挨拶のなかで、来年は「全国ボランティアフェスティバル」が名古屋で開催されます。と紹介がありました。

 これからNBNも、個々のボランティアが一つになって、お互いに助け合えるネットワークをめざして、交流できるといいですね。  

 

[連絡先]

名古屋点訳ネットワーク事務局

名古屋市社会福祉協議会 ボランティアセンター内

462-0844 北区清水4−17−1

TEL 052−911−3191(代表)

FAX 052−913−8553

NBN  daihyo@n-braille.net




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