N B N 通 信 31 号

名古屋点訳ネットワーク
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2016年2月発行










―・― 目 次 ―・―



「元横浜市立盲特別支援学校教諭 道村静江先生の講演会」のご案内
「音声触図学習システムの体験・学習会」のご報告
編集後記



「元横浜市立盲特別支援学校教諭 道村静江先生の講演会」のご案内

来る6月19日(日)、副読本として多くの皆さんが利用している「点訳便利帳」の編集団体「点字学習を支援する会 点字表記支援グループ」代表であり、盲学校・一般校で教員をされてきた道村先生に講演をしていただけることになりました。
NHK教育テレビ『わくわく授業』「手と心で読む1006字〜視覚障害児の漢字学習〜」で道村先生が情熱をかけている取り組みが紹介されました。この放送は何回も放映されたので覚えていらっしゃる方もみえるのではないでしょうか。
講演会の詳細は後日お知らせさせていただきます。




「音声触図学習システムの体験、学習会」のご報告


  12月6日(日) 名古屋市総合社会福祉会館において、3名の視覚障がいの方の参加も含めて28名と、市社協の三輪さんに出席していただき開催しました。  講師は制作メンバーの細川陽一さん(NBN役員)と5名の名工大の学生の方々。  新しいシステムがどんなものかと興味津々の体験・学習会でした。


触読を体験している視覚障がいの周りに点訳者が大勢います

体験中の様子




最初に学生の皆さんの解説で視覚障がい者の皆さんが体験。
「立体コピーの触図」と「パソコンとタッチパネル」を使ったシステムに感動しました。

触読を体験中

パソコンに接続されたタッチパネル上の立体コピーを
タッチするとパソコンから解説が流れます。
更にタッチするとまた違う内容の解説がされます




触読していると

動物や時計の学習用教材。動物は解説の他に鳴き声も




点図(凸の点で絵を描いてある図)だと同じ用紙に点字の解説が少ししかできず、別用紙に書くしかないし、名称も省略するしかありませんでしたが、このシステムでは解説したい内容をどれだけでも確実に伝えることができるのだと理解しました。
また、視覚障がい者の皆さんは点図を理解することが苦手な方が多いと思うのですが、この触図を点図で作ればすぐに音声で説明を聞くことができるので全体図の把握が早くできると思います。
視覚障がいの皆さんの点図の依頼があるとうれしいですね。

次に「図のデータ作成」、音声ガイドの為の「位置データの登録」の勉強会をしました。

データ作成にはたくさんの作業が必要ですが 出来上がったものはたくさんの内容をとても楽に取得できるものであること、安価に作成できることから データが充実するような体制ができることを大いに期待します。

後の話し合いでは 感想や問題点、アイデアなどたくさん出ていましたので 更に充実していくことと思います。
  関心を持っていただいた方はボランティアに挑戦していただけたらと思います。
  今回の体験会では 10名の方が手を挙げてくださいました。

  なお、この音声触図学習システム「TARS」は NBNの体験・学習会の前に中日新聞に掲載され、今年に入ってからはNHKテレビ総合のニュースでも取り上げられました。





触読していると

中日新聞2015年12月1日朝刊市民版よりコピー貼り付け 





アンケート結果から抜粋



■音声触図学習システムについて

・ シンプルなシステムなので慣れれば入力は難しくないように思う。
・ 希望するデータを作ってもらえるような態勢ができれば、魅力あるものになると信じています。
・ びっくりです。利用しやすいものができることを願っています。
・ 日々進歩していくことは想像していましたが、ここまで来たかと思うと感激です。
・ 点図に点字で説明を付けるのはスペースが限られるので、この音声システムはとてもいいと思います。
・ 個人の場合、2万円のタッチパネルが必要なのがちょっとネックと思います。
・ 機材が適当な金額でWindowsのバージョンに左右されないような気がするので、長く利用できていいと思いました。
・ 視覚障がいの方の学習の可能性が拡がるいいシステムだと思いました。
・ 自宅ではB5が好ましい。エーデルのデータを活用したい。
・ 学習コンテンツの充実後に実用ソフト(一般向け)の開発
・ 少し難しさを感じたが、慣れていけばいいと思うし、システム自体はとてもいいと思う。
・ 大変良い、作りやすいとなお良い
・ 感度の改善、触っている所が正しいかわからない
・ タッチが人により異なるのでなれるまで時間が必要


■学習以外に本システムを使えそうな案

地図(世界)。栄の地下街の店舗情報。駅の案内図。イベントの会場図。大きな公園図。スーパーの商品配置図。建物のレイアウト。絵本の絵の説明。編み物や手芸。五線譜をタッチするとメロディや歌詞が流れるように。
クラウド対応の公共施設内案内に使えたらおもしろそう。


■会全体の感想及び改善点

・ 学生の皆さんが大勢来ていただけたので、質問がしやすかったです。
・ よかった。新しいことを知る機会はよい。一生懸命開発してくれてありがたい。
・ きちんと説明いただきながら体験できたのでわかりやすかったです。一生懸命開発されている学生さんにお礼申し上げます。
・ 大変有意義でした。ご準備大変だったと思います。ありがとうございました。
・ とてもよかったこういう工夫がいつも前進する技術に触れて楽しかった。
・ 素晴らしい将来性
・ 実際のデータ作りはたのしそうですね
・ 体験を中心にできたらよかった。視覚障がいの方は体験を中心に。
・ こういった講習会が続いていくのはとても良いことだと感じた




細川さんと名工大の学生さんたちの写真です

細川さん、名工大の皆さん ありがとうございました。 



◆ 編 集 後 記 ◆


音声触図学習システムはすべての全盲の人の情報取得に有効な手段になると思います。弱視の人は触図・タッチパネルを使わなくても図を表示させることで利用ができることがわかりました。ボラさんの力を借りて安価にできるようになることを考えると、自分の希望するものを依頼することもできるようになってくると思います。視覚障がいの皆さんがたくさんのことをこのシステムで楽に知ることができるようになるといいですね。
データの充実を願っています。 (広報)








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