NBN通信12号−2
ご挨拶
何を点訳しましょうか
NBN代表
どのように点訳するかという講習会はありますが、何を点訳するかの講習会はありません。昔(私が点訳を始めた頃)は、点訳した本を点字図書館に納め、その後読まれたかどうか不明という形も多くありました。
今NBNに参加してくださる点訳サークルや点訳者では、一定の読者があり、その方たちの要望に沿った点訳をされているところが多いようです。盲学生一人を大学卒業させるのには選任の点訳者が何人必要、と言われるように、普通学校に通うのを支援しているグループは、何を点訳しようなんて考える暇もないでしょう。
でも、日頃点訳しているもの以外の点訳もしてみようと思ったとき、何を点訳しますか。
または、普段目にしている情報から、「これを点訳したら喜ばれるかな」なんて思うことはありますか。
毎月ある雑誌の目次を点訳している人がいます。読者は、その目次の中から興味がある記事があれば、点訳依頼をしたり、朗読サービスを受けたりしています。
電気製品などで、点字のマニュアルがナイーブネットなどに載ると、マニュアルがあるからという理由で、その製品を選ぶ人が増えたりします。
阪神大震災があったことを10日以上も知らなかった盲聾重複障害の方があります。点字毎日新聞もとっているのに・・・。とご本人は思われたでしょう。一方視覚障害だけの読者からは、大きなニュースはラジオやTVで自然に入ってくるから、点毎の紙面は別のことに使ってほしいという要望が多いそうです。
いろいろ考えていると、何を点訳するか、は問題ではなく(どんなものにもニーズはあり)、その点訳物をどのように、読みたい人に届けるか、が問題であると思えてきました。
何を誰にどのように届けるか、について、智恵を出し合って、良い形を見出したいと思います。その時には、NBNというネットワークがきっと役に立つと思います。
皆さんも一点訳サークルでは難しくてもネットワークなら出来そうなことがあれば、積極的に提案してください。