NBN通信9号ー5

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〜〜 点訳グループ紹介 〜〜〜

「点晴会」ですてきな経験

 快晴の11月1・2日、豊明まつり福祉展が市内の主な公共施設で開催されました。

私たち点晴会も、市総合福祉会館3Fの大会議室の一角に例年通り点字体験教室を開設、会員のアイディアで可愛いイラスト入り点字クイズのカードを作って配ったりしたこともあって大盛況、みんな大活躍の2日間でした。

 点晴会が、豊橋市の明生会館主催の講座を1年ほど受けた人たちをオリジナルメンバーとして誕生したのは、1979年の12月。

 その時の講師、豊明市在住で『蓮の葉の荷物』『随所百題』などの著作のある視覚障碍者の加藤晃さんは、その後も「心のすそ野を広げるために」、折を見ては会員に古典や漢文についてお話しをしてくださいました。それは、点訳するに当たりずいぶん参考となりましたが、とりもなおさず、私たちの楽しみでもあり、日頃の生活の彩りともなるものでした。

 私の場合、こんなことから「ことば」というものについて考え、「日本のことば」のすばらしさを知る機会にもなったのですが、点訳もスピード重視の昨今、思いは複雑です。

 さて、あれから20何年、加藤先生もお年を召され、会にお顔を見せられるのも、1年に1度、点晴会主催の市内の視覚障碍者の方達との親睦会(今年は、「元気の郷」で足湯体験をしました)の時だけになってしまいました。もっとも、加藤先生の講義を受けたものは、現在20人の会員の内のたった3人になりましたが…。

 つい3、4年くらい前までは、一部の会員が明生会館の蔵書も引き続き点訳しておりましたが、現在それはなくなり、全員が主にパソコンを使って次のような活動を、毎月第1・3金曜日の10:00〜15:00、市の総合福祉会館の1室をお借りしてしております。

 書籍・新聞記事・家電製品などの取扱い説明書・時刻表、学校教材の点訳および音声読み上げ用データ作成、その他必要な情報の点訳。ジャンルは日本語・英語、時には数学や楽譜。

 そして、2000年9月に名古屋市総合リハビリテーションセンターの原田良實先生のご指導を受け、それに則った、中途失明の方への点字の読み方講習。

その講習を受けられたお一人は、1年もすると、しっかりと点字を読まれるようになり、今では点晴会が月1回発行する、新聞や雑誌の最新ニュース・料理・読み物を点訳した「ひまわり通信」を楽しみにしてくださっています。

 また、私たちがTOEFLなどの点訳をさせてもらった海外留学をご希望のある大学生さんは、来年の春には教育実習で教壇にたたれるそうですし、やはり4年間点訳でお手伝いさせて頂いたもう一人の大学生さんは、来年度は福祉関係のお仕事を始められるとのことです。

 冒頭にも書きましたが、会のメンバーも頑張りでは負けていません。先だっての中学校の実践教室では、講師に初挑戦の会員3人が、その中には「人前に出るのが苦手なので点訳を始めた」という人もいましたが、それぞれ講義に必要な資料を一生懸命作って、わかりやすい実践指導をしました。

 点晴会には、「パソコン大好き」の人も多く、頼もしいかぎりです。そして、市の総合福祉会館のお部屋は気持ちよく貸していただいておりますし、今年は、(株)日立システムアンドサービスさんからパソコンとプリンターをいただいたり、高知システム開発さんから、音声読み上げ用データを作る時にも使うPCトーカーをアカデミックフリーでいただいたり、皆さんに支えられているのを実感します。

 こんな嬉しいことをたくさん経験させてもらえるのは、「点訳」のお陰ですね。

                      点晴会代表  西村 弘子

 

〈愛光会〉

 私どもの先輩が、1965年(昭和40年)に愛光会を結成して以来、愛知県立名古屋盲学校の点訳ボランティアグループとして会員数10名前後でささやかに今日に至っております。

 月に1回、盲学校の関連の他のボランティアグループの方々や、盲学校の先生方、退職された先生も参加してくださり、勉強会をしております。ちなみに今年は『点訳の手引き』をテキストに勉強してまいりました。

 活動内容と致しましては、主に図書室の本の点訳をしておりますが、時には教科の参考図書など、「授業に使うからできるだけはやく・・・」との依頼があったり、たまには先生から三療(鍼、灸、あんま)の専門書をたのまれることもあります。

 また、他のボランティアグループと違う点は、毎年5月中旬には夏休みの課題図書(文部科学省による小中学生の読書感想文コンクール用)の点訳があります。夏休みに入るまでに生徒さんに手渡せるようにするために、一人2〜3冊引き受けます。ひと月半くらいの期間に完成させなければならないため、このときばかりは私ども会のメンバーはみんな懸命に頑張ります。

 このようにして、私たちが頑張ることによって、生徒さんの勉強や読書のお役に立てればと、今日もまたパソコンに向かって努力しております。

愛光会代表

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