NBN通信12号ー4

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   〜〜〜 NBNから報告です 〜〜〜

   「中部国際空港セントレア」の見学会報告

        2005年5月25日(水)


5月25日(水)五月晴れの中、多くの方に

ご参加いただいて、「中部国際空港セントレア」の

見学会が行われました。

 午前9時、金山総合駅の中央改札口に集合。4から

6名の6つのグループに分かれ、名鉄電車に乗りました。

車中、少々混み合っていましたが、顔見知りの人も、初

 
めて会った人も、皆、和気あいあい、語りモード全開(?!)。

中には、NBNの会員有志が初挑戦した、セントレアの「触図入り点字ガイドブック」を熱心に見ている人も・・・

 名鉄常滑線ののどかな風景の中を走ること約40分。見えてきました。未来都市(?!)のような、近代的で真新しい白い建物と管制塔が。『わーっ』という歓声が聞こえ、感動で胸がドキドキ。

 到着後、全員でスカイデッキへ出て、飛行機の離発着を、しばらく眺めました。セントレア自体が、飛行機の形をしていて、その先端のデッキは、ちょうど操縦席部分。床は、船のデッキを思わせるような板張りで、洋上を旅している気分。お天気のせいもあって、気分爽快、心地よかったです。

 大きな飛行機が、大きな音とともに、大空向かって飛んでいくのを、優雅な気持ちで眺めていると、自分もどこかへ旅行したくなってしまいます。

 また、2・3分間隔で、離陸していく飛行機を見ていると、「よくぶつからないなあ」と現実に引き戻されて、がっかりしてみたり・・・

 デッキの見学が終わり、各グループ別行動で、昼食を兼ねた、セントレアのフロア見学です。お昼時はさすがに人がいっぱい。人気のお店は、行列ができていました。皆さんの好きな物が食べられましたか? 奮発して、展望レストランでお食事しようと思いましたが、ちょっと豪華すぎてあきらめました。残念!!!

 2時頃、集合し、アンケートを記入して解散しました。

 触図のガイドブックについては、皆さん、触図に慣れてないせいか、よくわからないといった意見が多く、家に帰って、セントレアを思い出しながら、勉強したいとおっしゃっていました。

 普段、他のグループや、視覚障害者の方との交流が少ないので、今回のような機会は、情報や意見の交換、また、いろいろなお話ができて、大変よかったと好評でした。

 皆さんお疲れ様でした。

       (NBN広報担当 ブレイルなかがわ 片岡由美子)

 
 


[感想]

   セントレア見学会に参加して

 北コスモス会の浅野です。北コスモス会からは

3名と、読者も一人参加しました。

 見学会の朝、集合場所の金山駅へ行くと、何人か

の白杖を持った方が集まっていらっしゃいました。

まず出席の確認をして、班分けの名簿をいただきました。

しかし他のボランティア団体の方達とは初めてお会いするので、お名前も分かりません。それなのに切符をお渡しするお手伝いをしました。その時、班ごとに色分けのリボンでもあれば、同じ班の方に挨拶をしたり、いっしょに改札を通るのもスムーズだったのではと思いました。

 また全体での見学が終わり、各班に別れる前に、視覚障碍の方に簡単な自己紹介をしていただく場があったら、お互いに関心が増したのではとも思いました。

 また私はたまたま車椅子の方と一緒に行動しましたので、セントレアの設備に関して、床やエレベーターなど車椅子には大変配慮が行き届いていることに感心しました。しかしその床には点字ブロックはなく、食事やショッピングを楽しむエリアはごちゃごちゃとしていて、通路の幅も狭い箇所がところどころにあって、視覚障碍者には不親切な施設だと感じました。

 事前に作成された点字と触図によるセントレアの案内資料は良く出来ていると思いましたが、カタカナだらけの、空港という公共施設の名前のつけ方には正直失望しました。電車の駅が「アクセスプラザ」で1階が「ウェルカムガーデン」など非国際的だなと思わずにはいられません。(浅野孝子)

 

        セントレア見学会に参加して

 見学会の為の点図作成に、はづき会として関わらせていだきましたので、参加させていただき当日はご意見を聞かせていただけるよい機会となりました。

 ガイドとしては経験が少なく、またちょっと腰を悪くしていましたので反対にガイドしていただいたような1日で申し訳ない気持ちでした。

 点図で1枚の紙にあの複雑な構造の建物をどう表すか、正直書き終えた時点で自信がありませんでした。説明を加えれば加えるほど分かりにくくなるという難しさがあります。晴眼者が見た目にとらわれ過ぎると、却って触れて分からないという結果になるようです。

 また、建物全体の構造までの説明は非常に難しく、私自身も一体どういう構造になっているのかしらと、鳥の恰好をしているという姿を空の上から眺めたい気持ちになりました。

 
 デッキで風に吹かれながら飛行機が飛び立つのを

見送り、少し向こうには大きな船の姿を見ることが

でき、「ここは海の上の飛行場だなあ」と感じさせ

られました。あそこから飛び立つと本当に海外旅行

という感じがすることでしょう。

 他のグループからもたくさんご意見が出たようなので、

再度練り上げていい点図ができると嬉しいです。

楽しい1日でした。有り難うございました。

(はづき会 花井 敦子)

 

        点図作成に参加して

 はづき会でお世話になっております 才藤です。

 点図の感想ですが、私はまだまだソフトを使いこなせていないので

今回の点図で感想を言える立場ではないのですが、利用者の方のご意見がないとわかりやすい点図はかけないと思いました。 

 点の大小はどれくらいの差があれば識別できるのかとか、矢印の意味の理解とか、全体像の把握の仕方とか、どうすれば理解されやすいのかわからない事だらけでした。 ですから、参考のため点図の利用者のかたからの率直な感想をうかがいたいと思いました。

 以上、稚拙な文章でお恥ずかしいです。(はづき会 才藤裕子)

 

 点図は大樹会ではあまり必要がなく、出番がないので

今回はとても良い勉強になり良かったです。(大樹会 伊佐治あけみ)

 

 
        触図の作図のポイントと利用者のニーズ

 総会の後の交流会でセントレアの見学会の際作成した

触図を中心に話し合いや学習を致しました。

            参加者には読者も複数おられ貴重なご意見を聞く

ことができました。

            まず、利用者の感想としてまずこんなに難しい物作ることについて大変な苦労をしたであろう事を想像され制作者をねぎらっておられました。これは良くできたということとは関係ありません。

 2種類、細かい店の輪郭も線を入れたものと、通路など大ざっぱな線で仕切って細かい線は省き店番を並べたものを作った。

 その感想は線が複雑にならない事で細かい店のしきりはない方が良いが、店の大きさなどが分かるのでしきりのある方もいいということで両方見ることでわかりやすくなる、という声も。

 およそ、触図を見ただけで一人で動けない。実際行ってみて「ここはこういう触図になってるんだー」と確認できる感じ。

 ほかにも細かい点で検討することがいっぱい有った。例えば矢印が分かりにくい。セントレアは複雑で行き先が各階全部に行けるとは限らないため、エレベーターやエスカレーターの行き先が分かりにくい。あまり細かいところまであらわそうとするとかえって探しづらい。などなど。

 
 大阪の地下鉄などの触図も参考に見た。

 前田先生(岡崎盲学校)にも駆けつけていただいて幾つか

ポイントを教えていただいた。

 矢印は「くの字」に書くといい(真ん中の棒をなしにする)

 点、線の間隔など近すぎると読み取りにくい。

 位置でエレベーターとか基準点を決めるといい。などなど。

 

 触図作りはまだまだ検討すべきところの多いと思われました。

 以後、細川さんを中心に触図の完成を目指して今後もじっくり、取り組む事とする、ということになりました。(はづき会 木全三保子)


    NBN セントレア見学会 参加アンケート

      (触図に関する点を中心に抜粋)

参加者の内訳

 点訳者 16名  点字使用者 8名   その他 2名  合計26名

<3>セントレアに来るのは何回目ですか?

 1.初めて  13名  2.2回目  11名 3.3回目以上 3名

<7>点字使用の方にお尋ねします。地図があると、理解の助けになりますか?

 1.大いに分かりやすくなる。  0名

 2.無いよりはあるほうが良い場合がある。  5名

 3.あまり助けにならない。         0名

 4.その他  3名

    @地図を触ることがないので(自分には)読み取る力がない。

    A点字は部分的にしかわからないから あまりあったほうがいいとも

     思えないがないよりはうれしい

    Bかえって混乱する場合がある。

 

 関連する意見として、「触図だけ見てもわからないが、触図を見ておいてから現地に行ったり、現地に行った後触図をみたりすると、『ああそうだったのか』と納得することがある。」と複数の方から聞きました。

 

<8>点字や触図の案内資料について気がついた点やご意見。

u      目次は欲しい

     図と説明のタイトルを統一したり、ページや通し番号を付けたりして、見や

すいように対応させてほしい。

     ページ行の文字が左右にわかれているが、階の標示をタイトルに近づけて。

     タイトルのつけ方が良い。

u      説明文は図の前に載せてほしい。

     凡例はページ毎に載せてほしい。

     図と説明文は、1ページあるいは見開き2ページ以内に完結している方が良

い。

u      矢印は分かりにくい(複数意見)

     矢印はもっと鋭角な矢の方がわかりやすい。または矢印の代わりに線だけで

よい。

     太い線の矢印があるが、重要に感じる。その意味がないのなら矢印は細い線

に統一したほうが良い。

u      店の仕切り線はあったほうが良い

     仕切り線は無い方が分かりやすい。

     仕切り線がある図とない図と両方あったほうがいい。

     どちらでも分かりやすさに差はない。

   以上のようにいろいろ意見が分かれました。

u      右矢印に北と描いてあるが、上矢印に西の方が良いのではないか。

     文章中に上は西とかいてあるので、方角の矢印は無くても良い

     方向が合わせてあって良い。

u      4階:何の四角かわからないところがある。

     ウェルカムガーデン:細い四角が分かりにくい。太い線のほうが良いかも

     枠取りと中の点字が近すぎる。

u      イメージできない。 とくに現場では使用不能

     建物の全体像・レンガ通り・ちょうちん横丁が わかれていることの理解は

できる。

     概要図にある詳細図への説明枠の意味が理解できなかった。わかりづらい。

u      盛り込むものは十分盛り込まれている。

     1階 郵便局や、3階 銀行も載せてほしい。

     連絡先も載せた方がよい。

     誘導ブロックを表現できないか。

     距離もわかると良い。

     建物全体の構造がわかるとよい。(天井が共有になっているということがわか

らなかった 3階の天井は吹き抜け)

     先端部分の地図もほしい。

u      動く歩道とエスカレーターは 違う表記がいいと思う。

     数符のあり、なし混在は良くない。1桁の数字も01、02・・・などと書いて

はどうか。

     矢印の先に「ス(エスカレーター)」と書いてあるが、加えて矢印の横に「く

だり」とか「どこどこへ」と書いて区別してはどうか。

     矢印の先に番号があり、凡例のところに、番号の説明で行き先とエスカレー

ターであることが書かれている図もあった。こういう表示もよいかも。

・  JR東海や名古屋市交通局の触地図をお手本にしては、いずれも読みやすいの

で。

 

以上です。このアンケート結果をもとに、NBN総会でさらに、意見交換を行いました。

 作成していただいた方の感想としては、「昨年講習会で注意点を教えていただきましたが、実際に作ってみると迷うことばかり。しかし、とりあえず最初の図を描いてみないことには直す点もみつからず、やはり実際に描いてみることが大切。勉強になった」

 皆さんに頂いた意見をいれて、案内図を完成させたいと思います。

                               以上

 
 

 

 

 

 

 

 


 

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